2012年5月3日木曜日

学歴汚染(Diploma Mill・Degree Mill=学位称号販売機関による被害、弊害):ニューポート大学


小島 茂(学歴ネット主宰者)

 本誌でも取り上げたが、朝日新聞の金沢大学医学部と非認定校のニューポート大学の学位報道に関連して、メルマガ「学歴ネット」で連続して取り上げたので、以下、紹介する。

学歴ネット(253)

金沢大学の詭弁と自己矛盾

小島 茂(学歴ネット編集長)

 ブログ「学歴汚染」(2008.1.26)で伝えたが、朝日新聞(2008.1.26)によると、金沢大学医学部で米国非認定校のニューポート大学の学位使用教官が二人いることが発覚し、金沢大学当局は、該当教授と准教授は業績があるのでとくに処分はしないと発表した。

ここでいくつかの疑問が生じる。第一は、なぜ他国立大学ではなく金沢大学の教官にニューポート大学の学位取得者が多いのか? という点である。第二はなぜ医学部にも不正規学位の使用教官がいるのかという点である。第三は、東大、京大など日本の主要大学でニューポート大学の学位は受け入れられるのかという点である。第四に、米国のハーバード、スタンフォード、バークレイ、ミシガンなどの主要大学で、ニューポート大学の学位を使用した教授がいた場合どうなるのかという点である。第五に、金沢大学の今回の対応が適切なものであるかどうかという問題である。

 まず、ニューポート大学はカリフォルニア州で認可されていることを盾に法的問題はないと主張しているが、オレゴン州やミシガン州(CHEA)の非認定校リストに掲載されている。

ニューポート大学はメイン州では、ディグリーミルと記載されている。

 当然、オレゴン州、ミシガン州、メイン州等ではその学位使用は違法となる。したがって、米国のしっかりした認定大学でもその使用は認められておらず、オレゴン州学位公認局によれば、もし使用した場合、教授は究極的には辞職(*解雇)に追い込まれる。

通常、そうした非認定学位は日本の主要大学でも通用しないはずである。たとえば、東大で、海外の学位取得者が過半数以上を占める経済学部のケースを見ると、教員は殆どがトップクラスの大学院の博士号を持っている。そういう人たちにとって非認定学位は問題外である。

 したがって、東大経済学部では、米国の認定大学同様、ニューポート大学をふくめ非認定校 の学位が入ってくることはありえない。(*非認定校の前に何千もある認定大学を考慮するはずだが、実際は、その認定大学も殆ど考慮されず、考慮される=対象となるのはその分野で優れたトップ20校程度である)非認定の学位が万一入ってきたら、学部のブランドイメージと信用性を(*著しく)損傷することが明白なので、当然、教員はクレームをつけ、学部は排除するはずである。

 朝日新聞の記事では、金沢大学医学部では、「ニューポート大学とは何だ」と話題になったが、昇進を認めたとある。ということは問題であることを認識しながら受け入れた、あるいは反対の意見を押さえて受け入れさせるパワーが内部で働いたものと解釈することができる。そのパワーによって他のニューポート大学の学位も入り込ん� �きたことが推論として成り立つ。

 東大や京大をはじめ他の主要国立大学医学部にニューポート大学の学位が入っていないのに、金沢大学医学部だけにあるのはなぜか? やはりニューポート大学と繋がりのある人脈が入り込んだということだろう。そして他学部にも波及したということだろう。


ジョージア州からマサチューセッツ州に駆動するためにどのくらい時間がかかりますか

通常、理系は博士号が必須とされ、文系では従来はそうではなく(最近は必須になりつつあるところが増えている)、DMをふくむ非認定学位はそうした真空地帯の文系教員に入り込んでいるが、医学部にも入り込んでいるという背景には、医学教育の周辺や境界領域である看護、保健、心理、療法(セラピー)、漢方、代替医療、検査といった分野にDMや非認定学位が大量に入り込んでいるからである。金沢大学医学部のケースもプロパーの医学ではなく、保健学科の理学療法および看護関連の非認定学位である。

 日米のトップグループの大学で非認定学位が認められないのは、ランクが高い大学 であればあるほど非認定学位の使用は許されない、教員も業績があればあるほど非認定学位の使用は許されないというのが、常識であり、国際的な見方だからである。さらに、学位授与権によって他の教育機関と峻別している大学自身が学位の重みを否定するのも自己矛盾である。
従って、金沢大学の業績があるから非認定学位は許すというのはまさしく論理が逆さまで詭弁と居直りに過ぎず、大学の信用性を損ねることはあっても尊敬を高めることはないだろう。

 他方、金沢大学教育開発センターは、そのニュースレター(2007.1)で、「エジプト考古学者の吉村作治氏の「偽学位騒動」とディプロマミル問題」と題して同氏を批判的に取り上げている。そして「DM学位にはくれぐれも気をつけましょう」と締めくくっている。


centernewsNo.143.pdf

 金沢大学は、ここでも、言っていることとやっていることが自己矛盾していないか?

学歴ネット(254)

金沢大学とニューポート大学の関係

小島 茂(学歴ネット編集長)

 本誌(253)で金沢大学とニューポート大学の特異な関係について触れた際、ニューポート人脈が金沢大学に入り込んだことを示唆したところ、ニューポート大学に詳しい読者より以下の情報が届いた。

(*個人名は伏せ字としたが、他はそのまま掲載)

メルマガ253の金沢大学についてです。

 金沢大学の●●講師もニューポート大学修了生です。以前は金沢大学のHPに出身校にニューポート大学大学院とありました。(●●准教授よりだいぶ早く削除されています。)

 ●●講師の場合は 、●●准教授の紹介であることは間違いありません。

 ●●准教授ですが、日本の大学院(出身校の聖路加大学かどこか)に進学を検討していたところ、看護師だか助産師だかの仲間から、ニューポート大学のことを紹介されたとのことでした。愛媛大学か徳島大学がどこか四国の大学の名前を言ったように記憶しています。

 ニューポート大学西日本校の●●学長は、徳島大学出身で徳島大学非常勤講師でもあります(現在もやっているかどうかの情報はありません)。その影響か、徳島大学工学博士がニューポート大学に入学していますし、スクーリングの先生も徳島大学の先生がきます。

あと●●学長は、看護婦の婦長・主任研修(当時の名称)の講師をやったという話を聞きました。

 以前のスクーリング出席 名簿に徳島大学医療技術短期大学部●●という名前がありました。たぶん助産師です。

 また、●●学長が理事長をやっているNPO法人日本福祉カウンセラー協会の理事に結構、看護業界の人の名前があったように記憶しています。

 ここでつながったと思います。

 ●●学長→徳島大学(医療技術短期大学部)→助産師関連学会→●●准教授→金沢大学 
 ●●学長→助産師→●●准教授→金沢大学

※●●准教授・●●講師は西日本校(神戸)、荻原教授は東京センターと思います。


戦争を開始した " vietman戦争"

看護師・助産師・保健師関連の大学は、急激に増えた関係でしょうか。DMが結構入り込んでいます。少し見ただけで、出身大学のない学位、経歴省略が結構あります。前後の人に経歴が書かれているのに不自然です。

学歴ネット(255)

金沢大学への一納税者としての抗議投書

小島 茂(学歴ネット編集長)

 金沢大学とニューポート大学の疑惑について本誌で伝えたところ、読者より、以下の、抗議投書が寄せられた。

●「学歴ネット」の「金沢大学の詭弁と自己矛盾」を読んで、一納税者として抗議しないでは居れなくなった。

金沢大学も国立大学法人化によって国立大学としての誇りと威厳、自覚を失い、地に落ちた感があり、嘆かわしくなる。

文科省直轄の大学として、 教員の給料が国民の血税によって全額賄われていることの自覚が、金沢大学のトップの人たちに無いのではないだろうか。

文科省直轄の意義は、私立大学よりも厳しい監視の下で文科省によって公認された大学であり、それ故に、地方の国立大学といえども、国民の目からは、一目置かれていることである。

金沢大学の学位はニューポート大学の学位と同格と医学部の教員は思っているのであろうか。同格と見なしても医学部の教員には疑問に思う人はないであろう。これは、一人のボス的教授の責任で済ませるものではなく、医学部全員の問題であると思う。

金沢大学がニューポート大学の学位取得者に対して全然懲戒処分をしないということは、ニューポート大学の学位の取得者であることを知りながら採用したのであ� ��から、ニューポート大学の学位をも暗に認めたことになる。そうなると、今後、ニューポート大学の学位保持者を採用する大学が増えることになるだろう。

それでは、文科省の今回の「真正な学位と紛らわしい呼称」の調査は何のために行われたのか、極めて疑問となる。

言い換えれば、文科省が金沢大学の無処分を黙認するようであれば、文科省もニューポート大学の学位を学位として黙認したことになり、その結果、非公認学位取得者が蔓延り、学歴汚染は広がり、わが国の高等教育の行く末が案じられる結果となることは誰の眼にも明らかであろう。

正規の大学で5年間の通学と厳格な博士論文審査、博士論文公聴会を経て取得した真正な博士ではなく、米国の非公認な大学のニセ博士の教員には、一納税者として� �我々の血税を支払う気には毛頭なれない。

学歴ネット(256)

ニューポート関係者による朝日新聞への脅迫めいたブログと反論投稿

小島 茂(学歴ネット編集長)

 ニューポート大学関係者とみられる匿名者による朝日新聞および記者への脅迫めいたブログを見つけたとの情報が読者より寄せられた。

このメルマガで以前ニューポート大学に関して投稿した読者も批判されていたので、その読者に知らせたところ以下のコメントが寄せられたのでそのまま掲載する。
 なお、この投稿読者は、アメリカの著名大学でPh.Dを取得し日米の高等教育事情に精通している大学教授である。

●「Cross-border JAPAN」(1月27日)に[あの『朝日新聞』が暴挙。「ニセ学位」と虚偽の報道]となんとも物騒な見出しがある。
週刊誌と同じく、度肝を抜くタイトルには私を含め、ミーハーは飛びつく。
野次馬根性を満たしてくれる興味ある内容とばかり、読んでみた。
その内容を一言で言えば、朝日の記者が非公認学位を「ニセ学位」と報道したことに御仁は腹を立てたようである。


どのように多くの人々は、国会議事堂で働く

全く拍子抜けである。
一般読者に対して、中学生や高校生にも分りやすいように、表現をしただけのように私には思える。
「偽学位」とか「贋学位」と書けば、大学生でもその違いの分る人は少ない。
「ニセ学位」と表現している所がまた実に妙を得ている。
非公認学位は「真正の学位」と紛らわしいから、正に「贋学位」であるが、カタカナで「ニセ」学位といった方が、老若男女を問わず、広く一般読者には非常に分りやすい新聞表現である。

 本誌メルマガの購読者にはニューポート大学卒業生もおり、時折メールのやり取りもしているので、それなりの理解は持ち、以前もニューポート大学に対して批判的な意見と肯定的な意見を並列紹介したこともある。この読者は丁寧で紳士的なので、こちらもそれに応じた対応をしている。
 しかし、このように匿名の脅迫めいたブログが出てくると、せっかくの理解も吹き飛び、「アーまたか」「アーやっぱりそうだったのか」と多くの読者に対しても逆に不信感を膨らませる結果になってしまうのではないだろうか?

*上記匿名ブログの脅迫部分

●報道された記事は無署名の記事であるが、取材にあたったのは、朝日新聞名古屋本社の岡崎明子記者である。従来から、医療関係の取材や署名記事で知られている。彼女が米国の高等教育の実情にどの程度精通しているかは疑問だ。

→岡崎明子記者は米国の認定大学へ1年間留学経験があり、DM&非認定学位についての問題は肌で知っている。

●これらのことは、単に過去のことではない。今回の「偽報道」を行った『朝日新聞』と取材記者の責任追及� ��今後共、法のもとに許されたあらゆる手段で行われるし、「過去」のこととして忘れ去られることはない。

●天下の『朝日新聞』が当方の親切極まりない情報提供を無視して事実無根の報道を行ったことに対して以下一定の報復措置を行うことにする。

→朝日新聞は事実無根の報道も偽報道はおこなっておらず、客観的なデータと取材に基づき極めて慎重で控えめな報道になっている。米国のマスメディアであったら、金沢大学とニューポート大学には激しい批判が寄せられるはずである。それに対してヤクザじみた脅しをかけるのは疑問と懸念を増長させるだけだろう。

学歴ネット(257)

ニューポート大学の学位が「真正な学位」ではない理由について

小島 茂(学歴ネット編集長)

 読者からニュー� �ート大学の学位が「真正な学位」ではない理由について以下の意見が寄せられ、指摘と疑問は真っ当なので、そのまま紹介する。

●最近、「学歴ネット」でニューポート大学のことが何回か取り上げられ、「週刊現代」(1月26日号)では、ニセ学位疑惑の25人衆の中、6名もがニューポート大学の学位であったことに世間の注目を浴びるようになった。終いには、金沢大学がニューポート大学と深い関係のあることが明らかになってきました。

ニューポート大学から学位を取得された人は、本人のコメントとして、「努力して取得したのだからどこが悪い」と言わんばかりのことを述べておられる。恐らく、非公認大学から学位を取得された人は、五十歩百歩の違いはあるが、誰しもが同じ事を言われるであろう。

誰がどの� ��うに主張されようとも、学位の品質を第三者(公的公認機関)が保証していない学位、つまり、非公認の学位であることに変わりはない。

非公認の学位は、法律的にはなんら違法性の無い学位であると主張される人も居られるが、自己の学習の成果の証として、単に保持しているだけなら、確かに何の違法性もない。


しかしながら、米国の州政府によって認可された筈の大学の学位でありながら、その学位の使用を禁じたり、或いは、禁じるだけではなく違法である、としている米国の州政府が少なからずある、ことも事実である。

この事実からして、非公認大学の学位は、なんら使用制限の無い合法な公認大学の学位と異なることは、明々白々である。

日本語として「真正な学位」とは、『世界中どこへ持って行っても、何の制限も無く通用する学位』であると、私は思う。

 その意味で、ニューポート大学の学位は、「真正な学位」ではない。

●以下、匿名のニューポート関係者のブログでのブラフまがいの主張:

大学教師の中に、ニューポート大学の卒業生が� �いのは、彼らが「偽学位」にものをいわせたからではなく、彼らが真に研究と教育の力を身につけているからである。そして、彼らが授与された学位は「偽学位」ではなく、前記のような法に基づく「正規の」かつ、「真正の」学位である。これをそうでないかのように喧伝する者がいるとするならば、それは刑法233条に抵触する行為である。

学歴ネット(258)

ニューポート大学日本校(非認定校)表記の最低限マナー

小島 茂(学歴ネット編集長)

 読者(ニューポート大学学位取得者)より、以下の意見が寄せられたのでそのまま掲載する。

●いつもありがとうございます。
先生のおかげで考え方がまとまりました。

 ニューポート大学が米国のある州から認可をうけているならば、米国に認定制度というルールがある以上、それに従うのが筋と考えます。たとえ内容が優れていても、認定校でないならば博士・修士という学位を名乗るには問題があると考えます。

 それ以前も問題として、「米国ニューポート大学大学院修了」と書くのは、フェアじゃないと思います。それをみると、米国に留学していて英語はできると錯覚します。むしろ錯覚をねらっているとすら感じます。最低限のマナーとして「ニューポート大学日本校」等と日本で履修したことがわかるようにすべきでしょう。(金沢大学の教授・准教授は、「米国ニューポート大学大学院・・・・」と表記していました)

 その2点� ��踏まえると、学歴・学位に入れるならば「ニューポート大学大学院日本校○○課程修了(非認定校)」とすべきだと思います。

 学歴に入れれないとするならば、ニューポートでの履修や論文を実績に入れるなど、なんらかの方法があるはずです。 

 少なくとも、学士よりはカリキュラムに従った勉強をやってきています。だけど、修士を名乗るには問題があるのでは?と思います。それを反映させる、何らかの手段が必要だと感じています。

 また学校の関係者は、米国で認定を受けるための努力や、日本で認可を受けれないか、別の方法がないかの模索をすべきでしょう。努力不足としか思えません。米国で認定を受けていない(受けられない?)のは、なんらかの問題があるためという自覚が必要です。



These are our most popular posts:

マンモスタンカー「最上川」に、アメリカの潜水艦「ニュー・ポート・ニューズ ...

現在位置:. 知恵袋トップ. ニュース、政治、国際情勢 カテゴリ選択 ... ニュー・ポート・ ニューズという名前は、何ういう意味があるのか、教えていただけませんか。 グレード 違反報告 ... 度 2点(5点満点中) 2人が役に立つと評価しています。 read more

すでに米イラン戦争が始まっている? - 田中宇の国際ニュース解説

2007年1月16日 ... アメリカでは多くの分析者が「この戦略は、米軍がイランやシリアに侵攻することを意味し ている」と考え、英語のマスコミや ... 空母がペルシャ湾からソマリア沖に転戦した際、 空母に随行していた潜水艦ニューポート・ニューズ号もペルシャ湾から ... read more

又も米原潜が衝突 - 徒然な日々に

ある空軍関係者は9日、「国産の高等練習機(T-50およびA-50、写真=連合ニュース)が 2011年までに全て空軍に引き渡され、 ... 今更こんなものを採用する意味が分かりませ んねぇ。 ... ペルシャ湾で日本の大型タンカー「最上川」と米原子力潜水艦「ニューポート・ ニューズ」が衝突した事故で、原潜が所属する米 ... まぁ、最上川は石油満載時には30 万tにもなるそうですし、全長だってアメリカの空母に匹敵しますから、全長で僅か3分の 1 ... read more

ニューポートニューズ地図 - WorldMapFinder

ニューポートニューズ(Newport News)は、アメリカ合衆国バージニア州の大西洋岸の バージニア半島の南東端に位置する独立都市 ... town)という意味があり、それに由来 するという説や、ニュース(Newce)という人物に因んで名付けられたという説等がある。 read more

0 件のコメント:

コメントを投稿